中型一種を教習所で取得した話【一種フル免許への道3】
一種フル免許を目指す私が、2015年の春に中型自動車第一種免許を教習所で取得したときの記録です。
中型一種免許で乗れる車は?
中型自動車免許で乗れる車は、
- 中型自動車
- 準中型自動車
- 普通自動車
- 小型特殊自動車
- 原動機付自転車
の5種類です。
中型免許があれば29人乗りのマイクロバスや4tトラックに乗れます。大人数での旅行や大家族での引っ越しもレンタカーを借りれば自力でできちゃいますね。
ちなみにマイクロバスや4tトラックなどの中型車はレンタカーを借りれば運転できますが、10tトラックなどの大型車を個人に貸している業者は存在しません。なので運送業でもない限り、中型免許があれば事実上のフル免許状態になります。
教習時間や費用は?
普通免許を持っていれば、
第一段階9時間 + 第二段階8時間 + 学科1時間 = 合計18時間
で取得することができます。
費用は教習所によって違いますが、私の場合は16万円ほどかかりました。
教習の記録
第一段階
1回目
教習車は三菱ふそう・ファイターのダブルキャブ仕様だった。
中型トラックに乗るのは初めて。いざ乗ってみると運転席がかなり高く見晴らしが良い。教習車の全高は2.5mあるそうなので、ドライバーの目線の高さは2.2mくらいになる計算である。
日本の道路の高さ制限は基本的に3.8mとなっているが、運転席から実際に3.8mの位置を見てみると、意外なほど低く見えることに驚いた。教官からは「中型車以上は自分の車両の高さを意識しておかないと線路のガードに突っ込むから注意するように」と言われた。
教習車は平ボディなので全高2.5m程度で済むが、アルミバンなどの箱を背負っていると3mを超える。つまり自分の目線よりも1m以上も車高が高いことになるので、感覚ではなく数値で車高を覚えておき、進行方向に高さ制限がないかどうかを注意深く見ておく必要がある。
一通り説明を受けたら、いよいよクラッチを繋いで車を動かす。教習で一番楽しい瞬間である。トルクたっぷりなディーゼルエンジンのおかげで、アクセルを煽らずともアイドリングだけで発進が可能だった。ちなみに教習車は6MTだったが、発進は1速ではなく2速でOK。これは中型車以上は空荷であればエンジンの力があり余っているので、2速でも十分な力を出せるためである。
車が動いたらコース外周の走行と右左折の練習をした。全長は7.5mほどあるので最初はなかなか感覚がつかめず、左右のミラーで後輪の位置を確認しながらの走行となった。教官からは「左折時の後輪の位置を安定させるように」とアドバイスを受けた。左折中に交差点の縁石からタイヤが離れすぎると、減点の対象になるので注意が必要だ。
中型車で驚いたのはブレーキがものすごく効くということだった。普通車の感覚で踏み込むと体が前に吹き飛ばされるくらいである。中型車以上は普通車のような油圧式ではなく、空気によるエアブレーキが主流であり、その強さはもちろん、踏んだときの感覚が油圧式とは全く違う。あえて例えるならトヨタのハイブリッド車のブレーキのそれに近いだろうか。ともかく慣れるのにかなり時間が掛かった。
2回目
路端停車と右左折の練習がメインだった。
路端停車とはその名の通り、道路横の壁ギリギリ(30cm)まで車体を寄せて指定位置に停車させ、そこからハンドルを切って車を再発進させる課題である。これだけ聞くと何も難しくないが、停車した4m先には障害物があるので、これを避けて、かつ左後ろをぶつけないように出ていくには、慎重なハンドルさばきが求められる。教官からは「時間制限はないのでとにかく最徐行して、ゆっくりハンドルを切るように」とアドバイスを受けた。
また中型車以上はリアオーバーハングが長いので、右左折などでハンドルを切ると車体後部の振り出しが大きくなる。なのでハンドルを切る前に必ずミラーを確認して、振り出しがないか確認する「振り出し確認」を必ず行う必要がある。
他の注意点としては、右折時にハンドルを早めに切りすぎているせいで、車体が右車線に出かかっていることがあるとのこと。はみ出てしまうと右側通行(逆走)で一発アウトになるので気をつける。また、左足をクラッチペダルに構える(乗せる)癖があるらしく、左足はクラッチを踏む時以外はフットレストに乗せておくよう指摘された。
3回目
坂道発進と方向変換(バック)、S字とクランクが加わった。
坂道発進については、中型車のサイドブレーキはワイヤー式なので、しっかり引かないと後ろにずり下がってしまうので注意が必要だ。
方向変換はバック時にミラーだけではなく、必ず窓から顔を出して直接目視して確認するよう指摘された。
S字クランクについては慎重に走ればOKなのだが、アイドリング状態で半クラッチを繋げるのではなく、荷物満載時を想定してアクセルを煽って繋ぐようにとの指摘があった。
4回目
隘路(あいろ)が追加された。
隘路とはざっくり言えば、右折or左折で90度向きを変えた先の枠に車体を収めるという課題である。おそらく狭い道から広い道へ出た時に、車線内にしっかり車体を収められるかどうかが問われているのだろう。
こうして書くと簡単そうに見えるが、収めるべき枠は車幅ギリギリであり、さらに前方のラインが思ったより手前にあるので、車体の左右を枠内にまっすぐにするのに気を取られていると、あっという間に前方のラインが迫ってくる。そのため路端停車と同じく、とにかく最徐行してゆっくり確実に調整していくことが求められる。
他には右左折時には中央線や路端にしっかり寄せるようにと指摘があった。寄せが不十分だと減点対象になりうるので注意が必要だ。
5~7回目
第一段階の修了検定のために、各課題とコースの走り込みを行った。特に大きな注意もなく淡々と練習を積み重ねていった。
修了検定も無事に合格し、次回の第二段階からはいよいよ路上教習となる。
第二段階
8回目
初めての路上。全長7.5mあるので普通車とは流石に感覚が違う。
教官からは「交差点左折時はもっと徐行して後輪を縁石に沿わせるように」と指摘があった。路上だと場内と違って一般の車が居るので、周りに迷惑を掛けないよう焦り気味になってしまう。しかしこちらは教習車。周りもおそらく温かい目で見守ってくれているので、ゆっくり確実に走行することが重要だ。
また信号で停止する時などに、早めにニュートラルに入れて惰力走行してしまうと減点の対象となる。私を含めてそういう癖のある人は、車が停まるギリギリ、エンストする直前までクラッチを繋いでおくことを心がけたい。
他にも右折矢印信号がない交差点を右折しようとする時は、停止線の手前で待機しておくように指示を受けた。待機中に信号が変わってしまった時に、交差点の中に取り残されないようにするために必要とのこと。そのまま行ってしまえば良いように思ったが、教習中は素直に従っておくことにする。
9回目
縦列駐車とバックによる方向変換&後方間隔が加わった。
中型車以上は方向変換時に車、両後方の壁から50cm以上手前まで下がる必要がある。これは感覚で掴むのもいいが、50cmギリギリに寄せた際の運転席から見える景色を覚えておくと確実である。
また方向変換でうまく入らない場合は、その場で切り返すのではなく、思い切って元の位置まで戻ってからやり直したほうがよいとアドバイスを受けた。
10回目
今回は路上走行。8回目に左にしっかり寄せるようにと言われたので意識して走っていたら、今度は左に寄りすぎて危ない時があると指摘された。バランスが大事である。
また教習所だと黄色信号が出たら何が何でも停まりたくなってしまうが、「急ブレーキを掛けるくらいなら通過してしまったほうがいい」とアドバイスを受けた。
11回目
積載時と空荷時との挙動の違いの体験ということで、いつもとは違う古い教習車に乗った。乗ってみると確かに少し重さを感じたが、場内を走る分には問題にならないレベルだった。
また荷台の前中後のどこが一番遠心力を受けるかを実際に試してみようということで、荷台の各位置に荷物を置いた状態で外周コースを回り、荷物がどのくらい動いたのかを確認した。
12~15回目
卒業検定に向けて走り込みを行った。終盤になるとだんだん慣れが出てきて、つい普段の運転に戻ってしまう。教習所スタイルの運転を忘れないようにするのが重要だ。
卒業検定は大きな問題もなく無事に合格。免許に「中型」の文字を刻むことができた。
まとめ
中型免許と普通二輪免許を手にしたので、大半の車は運転できるようになりました。
ここまでで累計30万円ほど免許に使っており、学生でアルバイトの身としてはなかなか大きな金額です。「中型と普通二輪だけあれば十分かも」という考えが頭をよぎりました。
しかしやはりフル免許へのあこがれは消えず、アルバイトと倹約により資金を貯めて、次は大型二輪免許にチャレンジしました。
その模様は「大型二輪を教習所で取得した話【一種フル免許への道4】」をお読みください。
また中型免許を持っていると時給高めな送迎バスのアルバイトが可能です。
詳しくは「中型免許を活用!送迎バスバイトで半年間働いた感想」をお読みください。
それではまた!
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