牽引免許を安く取りたい!実際に一発試験で取得してみた【一種フル免許への道7】
スキルアップのためにけん引免許の取得を考える人は多いと思います。
しかしその費用は教習所で取得する場合10万~15万円ほどかかります。
できることなら安く取得したいですよね。
私もそう思った一人です。
そこで愛知県の平針運転免許試験場で一発試験での免許取得を試み、
練習5回+試験3回の合計65,400円で取得できました。
一発試験って何?教習所と何が違うの?
「教習所へ通わず免許センターで技能試験を受ける」ことを一発試験と言います。
教習所に通って免許を取得する場合は
規定の回数だけ教習を受けた後に卒業検定を受験し
合格したら免許センターへ行って免許を交付するという流れになります。
一発試験の場合は
教習所で言う卒業検定を即受験できて
合格すればその日に免許がもらえます。
牽引免許の一発試験は難しい?
けん引の一発試験は難しいです。
けん引免許の場合は方向変換(車庫入れ)がかなり難しく
感覚を掴むのに苦労する方が多いです。
しかも一発試験の審査基準は大変厳しく
教習所がほぼ100%なのに対して
一発試験の合格率は20%台です。
(警察庁:運転免許統計より試算)
この低い合格率が一発試験のハードルとなっています。
一発試験と教習所、どっちがいい?
安く上げたいなら一発試験、
確実に取りたいなら教習所です。
一発試験の合格率は20~30%ですが
見方を変えれば平均して3~5回受験すれば合格できるという事を意味します。
一回の受験にかかる費用は
けん引免許で愛知県の場合4,050円ですので
5回受けたとしても20,250円で済む計算になります。
教習所の場合10万以上は確実にかかることを考えると
一発試験の場合25回も受験することができます。
以上のことから
費用面で一発試験が教習所を上回るケースは
かなりまれであることがわかります。
しかし一発試験は合格するという保証はどこにもありません。
教習所は受からせてくれる試験ですが
一発試験は落とす試験です。
仕事などでどうしても必要という方は
教習所で確実に取得することをおすすめします。
また試験日が平日の日中なので
平日に空いてる時間が取れない場合も教習所が良いでしょう。
一発試験はどうやって受けるの?
試験日の予約
まず最寄りの運転免許試験場に行って試験の予約をします。
受付時間は平日の日中、試験日も平日の日中です。
また試験日は時期にもよりますが2週間以上先になることも多く
行ったその日に受験できるとは限らないので注意が必要です。
予約すると場内のコース案内をもらえるので
実際に自分の足で歩きながらコースを覚えておきましょう。
試験中にコースを忘れても試験官に質問できますが
ウィンカーなどを出すタイミングが遅れて減点に繋がるので
可能な限り暗記しておくのがよいです。
試験の練習(任意)
いきなり試験を受けるのは不安という方は
民間の練習場を利用するのがおすすめです。
愛知県の場合は
平針自動車練習場という施設が試験場に併設されており
実際に使う試験コースと試験車を使った練習が可能です。
1回50分の練習で費用は9,400円と高めですが
教官にアドバイスを貰いながら50分間みっちり教えてもらえるので
試験2回分以上の価値は十分にあると思います。
試験は1回10分程度で終わってしまうので
練習場がある場合はぜひ利用したほうがいいです。
試験日当日
試験日当日は教習所の卒業検定のような形で
場内のコースをけん引車で走ることになります。
一周すると試験官から講評があり
自分の運転について色々コメントをもらえます。
試験官からのコメントはメモするなどして必ず覚えておきましょう。
もし不合格となった場合に次回合格するための大きな助けになります。
試験が終わってしばらくすると合格発表があり
合格していれば写真撮影の後免許証交付、
不合格ならば次回の試験の予約をする
という流れになります。
何回で受かった?試験のポイントは?
僕の場合練習5回+試験3回で合格できました。
以下では当時のメモから試験のポイントをまとめておきます。
■運転全般
・右の線は踏まない、左の線は縁石があれば踏んでOK
・左が怖いのか右に寄る癖があるので注意
・ウインカーが遅いので3秒前30m前を意識
■右左折
・右左折前にしっかりと左右の線に沿って寄せること
・大型のように突っ込みすぎない(前に出すぎない)こと
・交差点中央に来たときに横断歩道の安全確認をすべし
■方向変換(車庫入れ)
・車庫を通り過ぎる時に中を目視すること(忘れがち!)
・とにかく視野を広く、タイヤと路面ではなく台車と車庫を見ること
・出るときに右に寄せてかないと左引っかける
・斜めのままトレーラーを真っ直ぐにして押し込んでから微調整
取得までの過程
練習1回目 (2016/10/20)
平針の車両はいすゞフォワードのヘッドに1軸の台車が付いた中型トレーラー仕様だった。
全長は12mほどあるが大型免許を持っていたため大きさにはさほど面食らうことはなかった。
初めてのトレーラー。
クラッチを繋いでいざ発進するとガコン!と引っ張られる感覚がしてビビる。
「後ろを引っ張ってるからクラッチはゆっくり丁寧につなぐように」と教官。
確かにこれはけん引車ならではの特性なので注意する必要がある。
車両の大きさとしては大型とほぼ同じサイズだが
右左折時にはヘッドと台車が折れ曲がるので案外小回りが効くという印象を受けた。
交差点の通行やS字など普通に走る分には大型とさほど変わらない。
しかしけん引で一番難しいのは方向変換、つまりバックでの車庫入れである。
けん引のバックはハンドルを切る向きが逆だからややこしい、とよく言われるが
ハンドルを逆に切ればいいと思うと余計に混乱するので
ここではトレーラーヘッド全体を1本の巨大なタイヤと考える方法をおすすめしたい。
上の図は青色のトレーラヘッドと灰色の台車が黄色のキングピンで繋がれている図である。
図は右に曲がろうとしているところなので
ハンドルは右、タイヤも右、ヘッドも右を向いている。
普通の車だとハンドルを切る向きやタイヤの向きを気にするが
トレーラーではヘッド全体を大きなタイヤと考えて
ヘッドの向きをどうすればいいかを考えるとよい。
上の図のようにまっすぐの状態から右にバックしたいとき(1)
ヘッド全体をタイヤと考えるとヘッドは右向きにする必要がある(2)。
ヘッドを右向きにするにはハンドルは左に切ることになる(3)。
実際やってみるとヘッドは右に折れ(4)、押された台車は左に向きを変える(5)。
このようにヘッドと台車をくの字に折る状態を作るのがポイントである。
ここでハンドルを左に切りっぱなしにするとどんどん折れていってしまうので
ある程度くの字になったらハンドルをまっすぐに戻す必要がある(6)。
実際に車庫入れするときは
ハンドルを少し切っては戻し切っては戻しを繰り返して
少しずつ角度を付けていくと折れすぎを防げる。
台車が横まっすぐに近づいてきたら今度はヘッドも横真っ直ぐに合わせる必要がある(7)。
そのためハンドルを右に切って折れを解消しヘッドを「起こす」(8)。
そして最後に微調整を行い(9)、台車とヘッドがまっすぐになれば完了である(10)。
とここまで解説してきたものの頭でわかっていても実行するのは結構難しいので
ある程度回数を重ねて慣れていく必要がある。
初日に車庫入れに何回か挑戦したもののなかなかうまく行かず
いまいちコツを掴めぬまま1回目の試験に挑むことにした。
試験1回目 (2016/10/21)
初回の試験。方向変換の感覚を掴みきれてないので記念受験のつもりである。
試験コースを順番に進み方向変換までたどり着くものの案の定入らない。。
3回ほど試したが結局入れられずに途中でお帰りコース(失格)となってしまった。
試験官からの講評は
・右折するときに突っ込みすぎるところがある
・ウインカーが遅いので3秒前30m前を意識
・方向変換で車庫の目視確認を怠っていた
の3点であった。
方向変換がうまくいくかに気を取られていると
車庫の確認がおろそかになるので注意が必要である。
また方向変換中に切り返しをするときには
車が動く前に必ず安全確認を行うのも忘れやすいポイントだ。
焦っているとバック→前進に切り替える時に
確認なしで車を動かしてしまい減点を食らう。
まだまだ方向変換の練習が足りないので
練習を2回分予約しその後改めて試験を受けることにした。
練習2回目 (2016/10/22)
方向変換を重点的に練習した。
教官からは
「とにかく視野を広くとること。
タイヤが車庫の角をクリアできるか注視するのではなく、
台車全体が車庫に収まるかに気を配ると良い。」
とアドバイスをもらった。
確かに一点だけを注視してると全体の動きが捉えられない。
これを意識するだけでも成功する確率が上がってきたように感じた。
コース走行では全体的に右に寄る癖を指摘された。
左の縁石にあたるのが怖いので右に寄ってしまいがちだが
寄りすぎると反対車線にミラーが出てしまい
下手すると逆走扱いになる可能性があるとのこと。
なんとなく方向変換のコツを掴んだところで次もまた練習となる。
練習3回目 (2016/10/25)
今回も方向変換を中心に練習。
3回目にしてようやく慣れてきたようで9割くらいは成功するようになってきた。
コースによって右バックと左バックがあるのだが
運転席から目視できる右バックに比べて完全に死角になる左バックはやりにくい。
(試験車だと後ろの窓から目視することができるが実車では厳しいだろう)
左バックのコツを教官に尋ねると「曲がる方と反対側の台車の角の意識を忘れないように」とアドバイスをもらった。
これもやはり曲がる側に気を取られていると反対側がおろそかになってしまうので
引き続き気をつけなければいけないポイントだ。
練習時間の終盤では右バック左バック共に
9割5分くらい成功するようになり自信がついてきた。
次の試験では合格を決めたいが試験日は約3週間後。
感覚を忘れないようイメージトレーニングをしておこう。
試験2回目 (2016/11/17)
前回の練習からだいぶ間が空いてしまったが気合を入れて臨む。
コースは問題なく進み方向変換に差し掛かるものの入らずお帰りコース。。
前回の練習で方向変換の感覚を掴んだつもりで油断してしまったようだ。
やはり練習が足りないと思いさらに2回分を予約。
また練習から試験日の間が空かないようにするために
練習、練習、試験と3日連続で日程を組んだ。
練習4, 5回目 (2016/12/14-15)
今度こそ合格するぞと一大奮起。
ここまで来ると感覚を体で覚えられるか否かの勝負なので
方向変換を含めた試験コースの走り込みをひたすら行った。
試験3回目 (2016/12/16)
3度目の正直の試験。
前2日間みっちり練習したおかげで方向変換を無事クリアし
初めてコースを完走することができた。
けん引の試験では方向変換が成功すれば合格への道は一気に縮まる。
試験官からの講評は
・左折の時に大型のように突っ込んで曲がらなくても、普通車のノリに近いような感じで曲がれば車輪が線に沿ってくる。そこができると完璧。
・安全確認はしっかり出来ている。
の2点だった。
ポジティブなコメントだったのでこれは行けたか!?と思い期待に胸が高鳴る。
後に行われた合格発表では晴れて自分の番号があった。
久々に達成感を味わうことができた。
まとめ
今回はけん引免許の一発試験について解説をしてきました。
一般的には難しいとはされている一発試験ですが
平日日中に時間が取れるのであれば
挑戦してみる価値は十分にあると思います。
ちなみに大型特殊免許も一発試験で取得しています。その様子は「大型特殊免許を安く取りたい!実際に一発試験で取得してみた」をお読みください。
ぜひトライしてみてください。
それではまた!
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