【失敗】プロボックスにエアロフィンプロテクターを取り付け
エアロフィンプロテクターとは
トヨタ車のリア付近に突起が付いてるのを見たことがあるでしょうか。画像はハイエースのリアコンビランプですが、4つ突起がついているのが確認できるかと思います。トヨタではこれを「エアロスタビライジングフィン」と呼び、車体後方の空気の流れを安定させて走行安定性の向上の効果があるとされています。ボルテックスジェネレーターと呼ばれたりもします。
上の図は車体の空気の圧力を示しているもので、赤が正圧、青が負圧を意味します。車体後方で大きな負圧が発生していることがわかります。負圧があるとその方向に向かって車が引っ張られる力が働くので、車体が後方に引っ張られる≒ブレーキがかかった状態になってしまいます。
通常だと車体後方では上の映像のように空気が逆流してしまいます。これが負圧の発生する原因です。車体後方の突起「エアロスタビライジングフィン」は、突起を置くことで空気の渦をわざと発生させることで、空気の逆流を防ぐ仕組みになっています。
このエアロスタビライジングフィンの代わりとして使われているのがエアロフィンプロテクターです。形もちょうどよく、赤色のタイプならばテールランプに目立つことなく貼ることができます。ハイエースをお手本にして左右のテールランプに4本ずつ、合計8本貼るために2セットを購入しました。
車体後方の空気の流れが良くなれば、走行安定性が向上し燃費も向上するはずです。
車体に貼り付け
写真のようにテールランプの上部と下部に50mm間隔で2本ずつ装着しました。この位置だとテールランプの赤色に溶け込むので後付け感を抑えることができます。
両面テープがしっかりと付くように、取り付け前にテールランプを脱脂しておくのがよいです。シリコンオフなどのケミカルを使おうかと思いましたが、フィンが白化したとのレビューがあったので中性洗剤で洗浄する形で脱脂しました。
貼付したあとは水気が付かないように丸一日ほど放置すればしっかりと接着します。指で揺すってもびくともしないのでかなり強力です。洗車機に入れても大丈夫でしょう。
燃費測定結果
走行区間 | 走行距離 | フィン無し | フィン有り |
一般道A (夜間) | 26.6km | 21.4km/L | 20.3km/L |
一般道B (昼間) | 23.8km | 18.5km/L | 18.3km/L |
高速道路C | 37.0km | 26.6km/L | 25.7km/L |
高速道路D | 50.9km | 28.0km/L | 26.2km/L |
エアロフィンプロテクターの効果を検証するために、合計4つの走行区間を同じ曜日の同じ時間に走行して燃費を計測しました。走行フィーリングだと定量的な評価ができないので燃費にしています。なお高速道路についてはクルーズコントロールを80km/hにセットして測定しました。
結果は上表の通り、すべての区間においてフィン有りがフィン無しを下回りました。フィンを取り付けたことで平均して1~2km/L燃費が悪化しています。高速に乗ったときに風切り音が大きくなった気がして嫌な予感はしたのですが、ご覧の通り残念な結果になってしまいました。
おそらくプロボックスのような小型車にフィン8つは数が多すぎて、逆に空気抵抗になってしまったのではないかと思います。燃費が悪化した代わりに高速域での安定性の向上などの効果があればまだ良かったのですが、全く実感することはなく、完全なデチューンになりました。
まとめ
今回は燃費と走行安全性の向上を狙って、プロボックスにエアロフィンプロテクターを取り付けました。しかし実際に検証してみると走行フィーリングは特に変わらず、燃費が悪化するという結果になりました。
おそらくフィンの数が多すぎて空気抵抗の悪影響が大きくなったものと思われます。フィンの数を4本、2本と減らして検証することも考えましたが、フィン8本でもフィーリングの変化を感じないなら減らしたところで実感はできないだろうし、評価する意味があまり見いだせないのですべて剥がしました。
やはり純正でフィンが付いていないというのはそれなりの理由があるのでしょう。ハイエースにも付いているとは言え上位グレードだけですし、本当に効果があるなら全グレードに標準装備されているはずです。外装のチューンはまだまだ勉強の余地がありそうです。
このブログでは他にもプロボックスのDIYとして、
「プロボックスの後部座席をもう少し斜めにしたい!リアシートロッカーの交換」
「プロボックスにキーレス連動ドアミラー自動格納を取り付ける」
「画面が見えないプロボックスのスマホホルダーを改造」
などやっているので、よろしければあわせてお読みください。
ディスカッション
コメント一覧
エアロフィンプロテクターの取り付け方、前後逆じゃね?
太い方が前にこないといけないような…
私もそう思ったのですが
コブ状(太いほうが前)よりもデルタ状(太いほうが後)のほうが効果が高いという論文[1]があったので
それに倣って取り付けてみた次第です。
両方で比較すれば良かったのですけどがっくり来たのでやらずじまいでした。
[1]: http://www.web-ab9.com/16J_03.pdf
私もそう思う。
着け方が正反対だから、逆効果になって当然かと思います。
コメント失礼します。
会社のサクシードに、ドアミラー付け根に一つ、テールランプのクリア部分(リバースとウインカーの中央)に一つずつ付けております。
燃費は測っていないのですが、フィーリング面では自分のは成功しました。
ドアミラー付近の騒々しさが薄らぎ、高速追い越し車線で絶対煽られない速度で走ってもステアリングの座りが良くなり、付けてない時と比べて車体のフラつきが減ってステアリングをギュッと握ってなくても良いくらい直安良くなりました。
付ける前と後で同じルートを同じように走ってますし、その後代車でサクシード借りてフィーリングに違いがあったので、プラシーボでは無いと思います。