プロボックスに5ナンバーワゴンはないのか?4ナンバーとの維持費の違いは?
かつて存在した5ナンバーワゴン
2013年10月までの50系プロボックス/サクシードには、5ナンバーワゴンがラインナップされていました。4ナンバーのバンと比較して、内外装が乗用車風にグレードアップされています。
カタログの2ページ目のキャッチコピーも、乗用車として使うことがかなり意識されています。
- ほどよくシンプルなデザインだから、いろんなシーンに合わせやすい。
- まるでバックパック。ほどよくスモールサイズなのに、かなりたくさんモノが入る。
- 遊びにデートに勉強に仕事に散歩に毎日使ってください。
特に「遊びにデートに勉強に」と書かれているのは特筆すべきでしょう。商用車ベースにして車両価格を抑えることで、免許取って間もない若者でも手が届く値段設定にしていたものと思います。
「入れやすい、しかも、かなり入る。」と評判のラゲッジ。アウトドア用品を満載しても5人乗りができます。スキー板などの長物も後部座席を畳めば余裕で載せられます。当時はアクティブな大学生がメインターゲットだったのではないでしょうか。
現行モデルは4ナンバーのみ
50系モデル末期には5ナンバーワゴンは廃盤となり、2014年にマイナーチェンジされた160系では4ナンバーのバンモデルのみになりました。
バンといっても、最上位グレードのFを選べばワゴン風な内外装になります。外装については上の写真のようにボディ同色塗装のバンパーや、ブラックカラーは引き続き選択できます。
後部座席についても、旧ワゴンモデルと同じ、ヘッドレスト付きの乗用車仕様が選択できます。4ナンバーではありますが、自家用のワゴンとして使うことは十分可能です。
詳細は「プロボックスって自家用にどうなの?車中泊はできる?維持費は?5年半乗ったレビュー」をご覧ください。
4ナンバーのほうが維持費が安い
実は5ナンバーよりも4ナンバーのほうが維持費は安いです。その理由は自動車税が年間14,300円と、軽自動車並に激安だからです。
5ナンバー車 | 4ナンバー車 | |
自賠責 | 21,500円 . | 30,100円 (15,050円×2年) |
重量税 | 15,000円 . | 10,000円 (5,000円×2年) |
印紙代 | 1,700円 . | 3,400円 (1,700円×2年) |
自動車税 (1~1.5L未満) | 69,000円 (34,500円×2年) | 28,600円 (14,300円×2年) |
2年間合計 | 107,200円 . | 72,100円 ▲35,100円安 |
4ナンバーのデメリットとして、車検が毎年になってしまうことが挙げられます。毎年車検だとその分維持費が高くなるのでは、と思うかも知れません。
しかし、圧倒的な自動車税の安さにより、4ナンバーのほうが2年間で35,100円も安くなることになります。
詳しくは「プロボックスは4ナンバーで毎年車検!維持費は5ナンバーと比べて高いのか?」ご覧ください。
現行プロボックスは5ナンバー登録できない
残念ながら現行の160系プロボックスを5ナンバー登録するのは極めて難しいです。
4ナンバー等の貨物車の定義として重要な条件は以下4つあります。
- 荷室の床面積が1m2以上あること
- リアゲートの開口部が縦横800mm以上かつ、開口部の鉛直面への投影面積が0.64m2以上あること
- 後部座席の床面積>荷室の床面積であること
- 最大積載量>後部座席にすべて人が乗ったときの重量であること
(参考) https://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/kensa/kns07_1.htm
5ナンバー登録するためにはこれらの条件を崩してやる必要があります。しかしいずれも後部座席を後ろに数十cmずらして設置したり、3列目シートを新設しないとクリアできません。事実上不可能と言っていいでしょう。
そもそも前節で述べた通り、4ナンバーのほうが維持費が安いので、わざわざ改造して5ナンバーにするメリットが全くありません。節税できる4ナンバーのままで乗るのがよいです。
またメーカーとしても5ナンバー仕様をわざわざ用意するメリットがないので、5ナンバーが復活する可能性はほぼないでしょう。
どうしても5ナンバーで乗りたい場合
毎年車検が面倒などの理由でどうしても5ナンバーで乗りたい場合は、50系の中古車を探す必要があります。
5ナンバーのプロボックスはプロボックス「バン」ではなく、プロボックス「ワゴン」になります。当時から5ナンバーのプロボックスワゴンは台数が少ないので、今ではもはや絶滅危惧種です。見つかったらすぐに問い合わせるのがよいでしょう。